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orangeの翔はメンヘラ?実写映画に感じる「違和感」と「母親の呪い」について

お題「最近見た映画」

 

きのう、「orange」という邦画をみました。
漫画の実写化映画ですが、わたしは原作を読んだことがなかったので、超初心者状態で視聴しました。

youtu.be

↑土屋太凰ちゃんと山崎賢人くんが出演しています。

少女漫画原作の邦画は今迄いくつか見てきましたが、これといって印象に残っているのがあまりないです。なんでしょう、原作の方がやっぱり良い感じがするというか…!?とくに原作のファンだった場合は、やっぱりどうしても審査が厳しくなりますよね。

中には今回みたいに原作を知らずに見た作品もあるので、その中には「面白いな」と思ったものもあります。超ごっつい男子高校生が恋をする「俺物語」とかは面白かったです!(´∀`)

で、この「orange」なんですが、これは……原作とけっこう違うんですかね??原作を読んでないのにこんなことを言うのもアレなのですが、なんかこう…違和感があって。おいおいお前原作も知らないクセに何いってんだ!と怒られそうですが、ちょっとこの違和感の正体について、感想も兼ねて書き留めておこうと思います。 

orange-オレンジ-

orange-オレンジ-

 

※以下、漫画原作を読んでないヤツが感想を書いてますのであしからず!!!  

 

タイムリープ × 過去改変 × パラレルワールド

 

「orange」はネタ的にはすごく好みでしたね!
「君の名は」とかもそうですが、タイムリープネタはやっぱ面白いですね。というか厳密にはタイムリープじゃないと思うけど、とにかく「過去改変」と「パラレルワールド」がストーリーの主軸です。

 

【あらすじ】
高校2年生の高宮菜穂(土屋太鳳)に、10年後の自分から手紙が届く。そこには、26歳になったときに後悔していることが数多くあること、転校生の翔(山崎賢人)を好きになるが、彼が1年後に死んでしまうことがつづられていた。

当初はイタズラだと思った菜穂だったが、手紙に書かれていることが現実に起こり始める。菜穂は後悔しないため、そして翔を救うために行動を起こす。

 

この映画、「26歳の菜穂たち(翔がいない世界)」と「高校時代の菜穂たち(翔がいる世界)」を交互に描いているんですよね。で、26歳の菜穂が高校生の自分に手紙をかき、その手紙によって高校生の菜穂たちは未来を変えていくのだけど、もうその時点でパラレルワールドですね。別々の世界軸になってる。

過去改変ネタってだいたい「過去をかえたら未来がかわってしまう!!!」的なジレンマを抱えて主人公が苦しむっていうのがキモだと思うのですが(笑)この話にはそういうジレンマがほぼ感じられなかったので何だかちょっと新鮮な感じがしました。

 

恋愛??それとも友情??

 

この映画を観て感じたちょっとした違和感の一つは「恋愛なのか友情なのか」です。映画の紹介には「青春群像劇」という一文があるので、涙あり笑いあり恋愛あり友情あり的な全部コミコミセットなのかもしれないですが、出だし部分はすごく恋愛感強く感じるんですよ。主人公・菜穂が翔を好きになる…というくだりが入るので、どうしても見てて乙女モード爆発しそうになるわけです。

特に女の先輩と翔君が付き合い始めちゃったときなんかは、もうすっごくもどかしくて「翔に告れ!告ってくれ!絶対OKしてもらえるからああ!!」ってモゾモゾしました…いやあ、やっぱ恋愛ものってすごい。よくツボをついてくれます(笑)

ところがそんなにモゾモゾしてた前半に比べ、後半は「翔の心の闇をみんなで取り除こう!」みたいな博愛精神あふれる友達グループ6人の友情系になるわけですよ!あれ、これ恋愛ものじゃなかったの!?という衝撃がここでどっと押し寄せるのです。

たとえば、菜穂と翔が完璧に付き合い始めて、その後に彼の心の闇を皆で解いていく…という流れだったら、ひと段落したあとに次の問題に挑む的なかんじで納得できるんですが、お互いなんとなく好き合ってるのはわかってるものの、その気持ちを完璧に解決しないままに「俺生きてていいのかな…?」「あなたの心を救いたい…」みたいな流れになるのは、ビギナーズ視聴者としてはなかなか重量感があるというか…。

 

ここでちょっと思い出した作品があります。
それは、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」です。

www.anohana.jp

かなり大ヒットしたアニメ作品なので、アニメ好きの方なら大体知っているのではないかと思いますが、一応こちらもあらすじを…

【あらすじ】

宿海仁太、本間芽衣子、安城鳴子、松雪集、鶴見知利子、久川鉄道の6人は、小学校時代に互いをあだ名で呼び合い、「超平和バスターズ」という名のグループを結成して秘密基地に集まって遊ぶ間柄だった。

しかし突然の芽衣子の死をきっかけに、彼らの間には距離が生まれてしまい、超平和バスターズは決別、それぞれ芽衣子に対する後悔や未練や負い目を抱えつつも、中学校卒業後の現在では疎遠な関係となっていた。

高校受験に失敗し、引きこもり気味の生活を送っていた仁太。そんな彼の元にある日、死んだはずの芽衣子が現れ、彼女から「お願いを叶えて欲しい」と頼まれる。

芽衣子の姿は仁太以外の人間には見えず、当初はこれを幻覚であると思おうとする仁太であったが、その存在を無視することはできず、困惑しつつも芽衣子の願いを探っていくことになる。

それをきっかけに、それぞれ別の生活を送っていた仁太達は再び集まり始め、それぞれ抱えていた思いをぶつけあいながら絆を少しずつ修復していく。

この「あの花~」も、仲良しグループ6人組の話なんですよね。
主人公の仁太の芽衣子への恋心などある程度の恋愛要素はあるけど、それよりも罪悪感とか心の傷の方にストーリーがフォーカスされてる感じがします。

「あの花」の場合は、芽衣子以外のそれぞれが自分自身の葛藤と戦っていて、もともと全員の意識が芽衣子に向いているわけではない。最終的には心が一つになる的なシーンはありましたけど、芽衣子という共通認識がありながらも、それに縛られてない感があるんですよね。

で、orangeのほうは、最初から結構みんなの意識が翔に集中している感じがあります。このままでは翔が死ぬ未来がきてしまうから、皆でなんとかそれを回避したい。そのために中盤以降は更に一致団結するけど、それはある意味、みんなでこの人を守ろう!ってかんじなんですよね。手厚いんですよサポートが!なんていうか、翔がお嬢様で周囲に5人の騎士がいる的な構図に見えるんですよ!

「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」って言葉があるじゃないですか?あのセリフみたいな感じです。「みんなは翔のために!」っていう。ただ、何故か「翔はみんなのために」が対になってる感じはしないんです。
これこそが、わたしが感じたもう一つの違和感なんですよね。

 

あなたが友達なら、母親しか見ていない翔を守りたいと思えるだろうか?

 

みんなで手厚く1人をサポートするということは、その人はよほどの存在です。そこには「守りたくなるほどの理由」が存在しているはずですですよね。5人にとって翔はそういう、「仲の良い友達同士だから。そんな友達が死んでしまうのは嫌」という感じだったのだろうけど、それにしたって翔のほうはだいぶ皆と心の距離があるように思えます。

その答えは「母親」にあるのですが、この設定がまた重くて…!
個人的に重い話は大好物なのですが、なんかですね…この翔くんに関しては妙に感情移入できなかったんですよね…;
多分、原作漫画はもっと違うんじゃないかと思うんです。たぶんもっと彼の心情について描きこまれているのではないかと!

※以下、超ネタバレです

映画の翔は、自分のせいで母親が自殺してしまったことに罪悪感を持っています。菜穂のことが好きだし、仲間と過ごす時間を楽しいと思っているけど、「自分のせいで母親が死んでしまったのに、自分だけ楽しく過ごすなんて許されない」と思って悩んでいる。

翔が何について悩んでいるか分からなかった菜穂は、やっとのことでその事実を聞き出し、自分はずっと側にいるよ、だから一緒に生きて行こう的な聖母モードに入ります。視聴者としては「ああ、これで心の傷は癒えたんだね!良かった~(´∀`)」って思うじゃないですか?

ところが翔はその後、亡き母の部屋でスマホを発見し、その中に自分宛の未送信メールがあるのを見てしまうのです。そのメールには自撮り動画が貼り付けられており、そのなかで母親の本心が語られます。

ちなみにこの母親は精神不安定な人で、息子が病院についてきてくれると約束した日、結局「一人でいけよ子供じゃないんだから」と約束を反故されたことで自殺しました。

動画に残されていた本音は、父親がDVだったので息子(翔)を傷つけられたくなくて離婚したこと、東京の学校で息子が友達とうまくいってないのが心配で長野県に引っ越したこと、長野でまたいい友達に恵まれないと困るから好きなサッカー部にも入らないで欲しいと思っていたこと…などです。

このシーンの前にも、翔と母親のシーンがあって、そこで翔は母親に怒鳴っています。「なんであんたはいつも勝手に決めるんだ!」と。それを聞いて泣き出す母親。それを見て「なんで泣くんだよ!」と怒鳴りつつも、「ごめん、俺が悪かったよ…」と母親を抱きしめる息子…
あのですね、これを見た瞬間ちょっと思ったんですよ…

翔くんは父親の血を継いでるね、って…(笑)

怒鳴っといて後で優しくするとかDVの典型例じゃないかオイ!と心の中でツッコミを入れつつも、結局この親子は共依存の関係なんだなと思いました。母親は完全に息子に依存しているし、息子が自分のすべてになってる。しかも「あなたのためを思って」と言いながら自分が思うとおりに息子をコントロールしようとしているわけですから、これは立派な毒親です。

 

翔の心の闇の気持ち悪さの正体

 

この映画の翔って、言動の根底に常に「母親」がつきまとってるんですよ。どうやらそれがマザコンっぽく映るようで、ネットでいくつか感想を読んでいたら高確率で「メンヘラ」「マザコン」と書かれていました;(多分原作は違うと思いますが!!)

けどわたしが思うに、翔がメンヘラっぽく見えるのは母親と共依存関係だからなんだと思うんです。お互いが「見捨てられ不安」を持ってる。翔は「母さんのために思う通りにしないと」という心と「勝手に決めつけないでほしい」という気持ちがせめぎあってる。

けど母親は自分が言いたことだけ言って自殺した。彼女は死の直前に息子に対して「ごめんね。ぜんぶ翔のためを思ってやっていたのに、それが翔を苦しめていたのね。お母さんを許して…」と涙ながらに語っているのだけど、これはなんてことはない、

自殺することで完全に息子を支配した

という構図です。

わたしはこのシーンを見たとき「狡猾だな」と思いました。だって息子は「なんでもかんでも勝手に決めるな」と訴えてきたわけで、自殺はその最たるものじゃないですか!だからもう可哀そうという感情が一切わかなかった。ここって本当は感動のシーンだと思うんですよ!でもわたしはモヤモヤした気持ち悪さが勝ってしまいましたね…

翔の心の闇の気持ち悪さの正体は、翔に理由があるんじゃなくて、母親の過剰な愛情がチラつくからなんですよ。だから見ててなんか違和感があるんです。なにかが健全じゃないってセンサーが働く的な。

で、そんな翔を救おうとする周囲の5人の愛情も、どこかこの母親の「過剰な愛」に似たものを感じるんです。だからなんかここにも違和感を覚えるんです。なんだろう、500%愛さないと愛してるとは認めねーぞ!的な窮屈さというか、友情ってここまでしないと友情じゃないよね!?的なある種の暑苦しさといいますか…。

ああ~すみません…別にディスりたいわけではないんです;;
ただなんとも言葉にしがたい違和感を一つづつ分解するとそういう感じかなという気がして…まあこれはあくまでわたしの感覚なので、いちビギナーズ視聴者のたわごとだと思って頂ければ幸いです。

 

翔を応援できないから須和が余計にイイ男に見える件

 

仲良し6人組は男女3人で構成されていますが、その中に翔と同じサッカー部に所属している、長身の須和という男子がいます。明るくノリの良いタイプですね!
どうやら26歳の菜穂が生きている世界(翔のいない世界)では、菜穂と須和が結婚しているようでした。子供もいるので幸せ家族なのかな?という感じがしましたね。

須和は菜穂のことが好きなのに、翔と菜穂の恋を応援しています。自分の想いを隠したまま菜穂に「翔と話してこいよ」とアドバイスしたり、翔から「菜穂と一緒に花火見ていいかな?」と聞かれた時も「きっと菜穂喜ぶよ」と言ったり、なんていうかかなり良いヤツです。

最初はノリが良くて明るい子だなという印象でしたが、話が進むにつれ翔の闇が露呈されていくと、なぜか不思議と須和がイイ男に見えてきました(笑)翔は菜穂の気持ちに気付いていないようだったけど、須和はバッチリ気付いてる。女心に気付いてしまう須和!なんていうモテ男!

そんなわけで、個人的には須和と結婚して正解なのでは…と思ってしまいました。映画だけ見る限りでは、たとえば翔と将来的に結婚したとしても、永遠に母の呪縛は消えないような気がするし…。漫画だとたぶんもっと違う感覚なのではと予想しているので、実際はそんなことはないのかもしれませんが。

 

とりあえず山崎賢人くんはかっこいいです

 

というわけで、本気で感想を書いたらあんまり褒めてない内容になってしまってちょっと罪悪感が…!(;∀;)
ネタは面白いですしキャストもいいんです!!!ただ母親の呪いが濃厚すぎて、そのほかの淡い恋心や爽やかな友情が若干霞んだ感じがするというか、とにかく意外と中身が重い話でした。

漫画では他のキャラクターの事情なんかも描きこまれているんでしょうね。この映画の場合は翔を救うことに一点集中しているから、結構いろんな部分を削ったのではないかな?と思います。皆の事情がもっと分かれば全然違った感想だったんだろうなぁ。

そういえば原作の漫画は、元々はマーガレットで連載していたものの、途中からアクションに移籍したようですね。漫画家さんが出版社移動するときって大体アクシデントがあったときだと思いますが、もしかしたらorangeの作者さんもいろいろあったのかな…?創作者の世界は本当に世知辛いというか…いろいろありますよね!! 

orange コミック 1-5巻 セット (月刊アクション)

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あと、作者さんが「映画は見ない」と公言して話題になったというのも目にしましたが、これにはさすがに驚きましたね。原作と映画ってだいたい別次元のものになる場合が多いと思うけど、それでも原作者は宣伝のために見たりするイメージがあったので、それを見ないとなると…やっぱり何かあったのかな!?大人の事情!?

映画を観て感じたこととどれだけ差異があるのか気になるので、機会があれば漫画もちょっと読んでみたいですね。まずは積読を消化しなくては…

そんなわけで、最後に一言…
山崎賢人くんはカッコよかったです!!!(笑)

 

ではでは、、

 

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